2012年6月22日金曜日

台湾輸出の際に関税などの還付制度


【輸出の際に関税などの還付制度]
 
 
■ 概要
 
関税の還付とは、何らかの理由で輸入時に既に納付した関税を返すことです。各国は、政策目標の達成、租税収入の確保、輸出支援、間違いの是正その他の理由でそれぞれ異なる形態の関税還付制度を運用しています。
 
関税還付制度が存在する理由は、関税理論上の関税は、特定の物品の消費に対して課される消費税的性格を持つので、台湾で消費されていない場合には、関税を賦課しないとか、既に賦課された関税を事後に還付しなければならないからです。
関税還付を大別しようとすると、誤って納付した関税を戻して受ける過誤納金還付や、その他の還付に分けることができ、その他の還付の中でも外国から原料を輸入して、自国での加工後に再輸出する場合に還付制度の特徴が明らかにわかります。
 
特に、輸入原料の関税を輸出時に払い戻してくれるのは、輸出の増大など制度的な目的を達成することと、不正還付に悪用される可能性が衝突する領域なので、非常に厳しい管理監督が必要な領域です。
 
一方、貿易業者あるいは製造業者の立場から見れば、輸入関税の還付かどうかは、製造コストに大きな影響を与える重要な分野です。
 
以下では、還付に対する基礎事項を調べて、非常に重要な意味を持っている、輸入原料に対する輸出時の関税還付について紹介することにしています。
 
 
■ 区別概念
 
☉ 過誤納金還付(溢徵稅款之補稅)
 
どのような物品を輸入する際の行政上の錯誤又は納税義務者のミスで関税等を過剰か間違って納付した場合に、その過剰納付した金額を取り戻すことを過誤納金還付といいます。(関税法第63条)
納税者の申請または、これを発見した税関の職権により還付され、いずれの場合も払い戻し期限は1年以内に制限されています。この制度は間違って納付されたことを正す過程に過ぎないので、輸入原料に対する還付とはその性格、目的、手順が異なります。
 
☉ 輸入物品の使用不能による還付(禁止使用或損壞貨物之退稅)
 
関税を納付して台湾に輸入した物品が法令の変更や天災地変などにより、使用不能になったり、または輸入物品が契約違反物品として、海外輸出者に再返送された場合は、税関の調査を経て、すでに納付した関税を還付してくれる制度のことです。(関税法第64条)
 
この制度は、台湾で消費されることができない物品について関税を賦課することができないとする税法の原理(関税の消費税的性格)に基づいて関税を還付してくれることなので、その原理自体は、輸入原材料に対する関税還付と似ています。しかし、その対象、要件、手続等で輸入原材料に対する還付とは異なります。
 
☉ 保税区域制度
 
保税とは、外国の物品が輸入通関前の状態をいい、保税区域とは、外国の物品を輸入通関前の状態で(まだ外国物品の状態で)搬入することができる区域のことです。このため、保税区域は、少なくとも貿易においては外国として扱われます。
 
保税区域は、国が輸出奨励、産業支援、税関業務の効率化等のために特別に設定した区域で、少しずつ違いがありますが、どの国にでも存在している制度です。
 
台湾は、保税工場(保稅工廠)、保税物流センター(物流中心)、加工輸出区(加工出口區)、科学工業区(科學工業園區)、農業科学技術区(農業科技園區)、自由貿易港(自由貿易港區)など他の国に比べて様々な保税区域制度を運営しており、非常に活発に利用されています。
 
保税区域に外国の物品が搬入され、再び外国に返送された場合には、輸入通関が不要であること、関税などの納付義務がないこと、したがって、還付が存在することができないという点で、輸入原材料に対する関税還付制度との違いがあります。
つまり、この説明書で扱う関税還付制度は、保税制度とは無関係の企業にだけ関係されることに注意してください。
 
☉ 他国の原料還付制度との比較
 
過誤納付の還付、違約物品の還付などは、どの国でも存在するが、輸入原料に対する還付は、国によってかなりの違いが存在します。
 
韓国(南朝鮮)の還付制度は、台湾のそれとよく似ています。
ただ、韓国では、① 簡易定額還付制度が存在するという点、② 原料の輸入時に担保の提供および完成品の輸出時に相殺する制度を採用していないという点 ③ 原則として輸入される全ての原料について、還付が可能であることなどが台湾とは異なります。
 
日本は輸入原料に対する関税還付制度が存在するが、その対象貨物を極めて制限的に運営しており、実質的な役割を果たしていると見ることはできません。 (現在では、砂糖を原料として輸入して、ジャム、マーマレード、果実、果汁、トマトケチョプなどを缶、瓶、壼などの容器に密封するか、その他の状態で製造して輸出する貨物についてのみ還付が可能です。)
 
中国は、関税還付制度の代わりに、加工貿易制度を広く認めてその目的を達成しています。つまり、中国は原料輸入時に関税を納付することなく、一定の手続きを経て、完成品輸出の際に、その原料に対する関税の免除を確定する方式を使用しています。
台湾は、原則として納税(輸入)後に還付(輸出)方式であるのに対し、中国は、臨時免税(輸入)後に免税確定(輸出)方式という点で大きな違いがあります。
 
 
■ 原料還付の根拠法令
 
ㅇ関税法
ㅇ関税法施行細則
ㅇ営業税法
ㅇ貨物税条例
ㅇ輸出品の原料還付方法(外銷品沖退原料稅辨法)
ㅇ製造業者の現金還付時の処理指針(外銷廠商退現稅款劃撥處理要點)
ㅇ輸入原料の営業税の帳簿記録の抹消作業規程(外銷品進口原料營業稅記帳沖銷作業規定)
 
 
 
■ 台湾の関税等の還付制度の基本的なプロセス
 
 
1。原料の輸入
 
2。その原料を使用して完成品の生産
 
3。その完成品の輸出
 
4。原料の輸入時に納付した関税等の還付
 
※還付手続き:還付申請書の提出⇒申請書の受付及び審査(不合格時に修正の通知)⇒審査終了(会計処理)⇒還付(開設した還付専用通帳にお支払い)⇒還付通知書の発行
 
 
■ 還付の要件及び対象
 
☉ 還付の基本要件
 
☉ 還付対象物品
 
☉ 還付対象の税
 
■ 還付の申請
 
☉ 主務機関
 
☉ 還付申請資格
 
☉ 還付申請に必要な書類
 
 
■ 還付標準および帳簿記帳
 
☉ 使用原料の審査還付標準
 
☉ 関税および貨物税の帳簿記録
 
☉ 営業税の帳簿記録および抹消
 
☉ 税関が代理徴収した貨物税および営業税の抹消、還付
 
 
■ 輸入原料税の自律終結(具結:self - executed affidavit)
 
☉ 自律終結することができる場合
 
☉ 自律終結に必要な書類
 
☉ 自律終結を禁止する場合
 
■ 帳簿記録の管理など
 
☉ 帳簿記録の税金の追徴
 
☉ 帳簿記録を停止することができる場合
 
☉ 保証責任の抹消
 
☉ 合弁輸出製造業者の還付規定
 
 
■ その他の注意事項
 
 

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