- 目 次 -
[台湾の関税減免体系]
[特定物品の免税]
■ 関税などの免税対象
■ 見本(sample)、広告品の免税
■ 旅行者携帯品の免税
■ 輸入郵便物の免税
■ 教育、研究用品等の免税
[損傷貨物の免税]
【賠償および交換貨物の免税]
[特定の再輸出貨物の免税]
[特定の再輸入貨物の免税]
[暫定通関許可証の免税 - ATA Carnet]
【原料輸入及び再輸出の免税]
【輸出貨物の再輸入の免税]
[税関輸入細則(HS)の注釈の規定による免税]
[台湾の関税減免体系]
■ 概要
台湾の関税減軽又は免除(以下、減免と呼ばれる)は、関税法およびその他の特別法にその根拠を置いています。
台湾の関税減免制度は、他の国と同様に政策的な必要や、国際条約および慣行などによって行われており、特に輸出の増大が強調されています。
国際貿易において、輸入者はもちろんのこと、それに対して輸出者にさえ、関税の減軽又は免除を受けるか受けないかの問題は、競争力を左右する重要な要素です。
■ 関税減免の分類
☉ 条件付きまたは無条件の減免税
☉ 減軽又は免除
☉ 特定免税と税関承認免税
☉ 輸入主体による減免や用途に応じた減免
☉ 税関輸入細則(HS)の注釈による免税
■ 内国税減免との関係
■ 免除、減軽の申請手続き
■ 重複減免を許可するかどうか
■ 譲渡、用途変更と追徴
■ その他
[特定物品の免税]
■ 概要
台湾での特定物品の免税(特定免税)とは、関税法第49条に掲げる物品に対する免税のことです。特定の免税対象物品は、外交慣例、国際条約などに基づくものか、少量、少額なので課税する必要が少ない物品、学問を奨励したり、緊急事態に対処するための物品等様々な物品が包括されています。
特定の免税対象に該当する物品であれば、当然、免税されるのではなく、それらの品目別に輸入主体、用途、価格などの法律上の要件に適合しなければならず、輸入税関に免税申請をしなければなりません。
また、免税事由の中では輸入時の用途と異なる用途に使用されると、既に免税された関税などが事後に追徴される条件付き免税(事後管理)の場合もあります。
本免税の要件を満たしている物品を輸入する場合、関税はもちろんそれに付随する内国税も免除されます。
下記の減免対象のうち、一般の人たちの立場で主に問題になる場合は、見本品または広告用品、旅行者携帯品、郵便物、一定額以下の少額物品、教育研究用品等であり、これらについては別の項で説明しています。
■ 関税などの免税対象
■ 見本品(sample)、広告品の免税
☉ 免税要件
☉ 手続きなどその他
■ 旅行者携帯品の免税
☉ 概要
☉ 免税要件
☉ 免税手続きなどその他
☉ 旅行者携帯品の輸入制限
■ 輸入郵便物の免税
☉ 概要
☉ 免税要件
☉ 免税不可の物品
■ 教育、研究用品等の免税
☉ 概要
☉ 免税要件
1)主体の要件
2)対象の要件
3)その他の要件
☉ その他の免税手続き
☉ 事後管理
[損傷貨物の免税]
■ 概要
損傷貨物の免税とは、輸入申告した物品が輸入免許前に変質又は損傷したり、価値が失われた場合に関税を免除する制度です。
輸入関税は、輸入国である台湾でその物品を消費することを前提に課される消費税的性格があるところ、輸入通関前にすでにその価値を喪失した物品は、輸入されても使うことができるので免税されるようになっています。
(関税法第50条)
このように、この免税制度は、関税の性格に由来するので台湾以外の他のほとんどの国にも同様の規制や制度が存在します。
一方、損傷または変質により価値が完全に喪失されないで残存価値が残っていて、一部に対して使用可能である場合には、当然、残存価値分について関税等を納付して通関して使用が可能です。
損害貨物免税の性格は、事後管理の条件がない無条件免税に当たります。
■ 免税の事由
【賠償及び交換貨物の免税]
ㅇ賠償および交換貨物等の免税とは、既に輸入通関した貨物が破損している、または規格、品質が元の契約内容と相違して、国外の輸出業者が賠償または交換した場合、その関税を免除する制度をいいます。
(関税法第51条)
この免税規定も、関税の消費税的性格に起因する制度です。
[特定の再輸出貨物の免税]
■ 概要
特定の再輸出貨物の免税は、貿易の促進、加工貿易の振興、観光客の誘致、科学技術研究、学術研究などの目的で台湾に輸入された物品が短期間に再輸出されると予定されている場合、再輸出の履行を条件として、当該物品の輸入関税を免除する制度です(関税法第52条)
■ 手順
■ 免税要件およびその他
1)関税が賦課される物品であること
2)再輸出免税対象の物品に該当すること
3)輸入貨物は非消耗性物品であること
4)輸入時に税関に再輸出される予定の物品であることを申告すること
5)保証金または担保を提供すること
6)輸入免許の次の日から6月以内または財政部が定めた日付以前に再輸出すること
[特定の再輸入貨物の免税]
■ 概要
特定の再輸入貨物の免税は、貿易の促進、国際交流の促進、国産の非課税、二重課税の防止などの目的で台湾から国外に輸出された物品が短期間に再輸入されることが予定されている場合、再輸入の履行を条件として当該物品の輸入関税を免除する制度です。この制度は、再輸出免税制度とペアになって制度です。
(関税法第53条)
■ 手順
■ 免税要件およびその他
1)関税が賦課される物品であること
2)再輸入免税対象の物品に該当すること
3)非消耗性の物品であること
4)輸出時に税関に再輸入する予定の物品であることを申告すること
5)輸出免許日の翌日から1年以内または財政部が定めた日付以前に再輸入すること
[暫定通関許可証の免税 - ATA
Carnet]
■ 概要
台湾の関税法は、暫定通関許可証(ATA
Carnet)で輸出入申告書に代わって貨物の通関を行うことができ、同貨物は暫定通関許可証の有効期間内に元の貨物を再輸出や再輸入する場合、関税を免除すると規定しています。
(関税法第54条)
この制度は、国家間の貨物の迅速通関および免税通関のための条約であるATA
Carnet制度を台湾の関税法に包摂したことであり、台湾もその条約の加盟国に属しています。 ATA
Carnetを使用すると通関時に付加的な通関書類を作成する必要がないのはもちろんのこと、関税及び消費税、保証金などを輸入国税関に納付する必要がありません。
ATA
Carnetを使用するとATA協約加盟国のどの国でも、迅速かつ円滑な免税通関が可能です。
■ 適用要件
☉ 協約の締約国であること
☉ ATA対象物品であること
☉ 有効期間内に利用すること
■ 手続きなど
【原料輸入および再輸出の免税]
この制度は、どのような物品の原料を外国から台湾に輸入して、それを加工した後、再び海外に輸出する場合、原料に課される関税等を免除する制度です。
(関税法第56条)
ただし、同原料を加工した輸出品は、原料の輸入通関日の翌日から1年以内に財政部の承認を受けて再輸出しなければならず、その再輸出日の翌日から6ヶ月以内に税関に免税手続きを踏まなければなりません。
【輸出貨物の再輸入免税]
この制度は、台湾で生産して海外に販売した物品が欠陥およびその他の理由で返されて再輸入を申請する場合、関税等を免除する制度をいいます。
その物品は台湾から外国に輸出された時から3年以内に再び台湾に輸入されると免税が可能であり、もし、元の輸出の際に、その原料に対する関税等の還付を受けたことがある場合は、再輸入時に関税等が免除されることなく正常的に徴収されます。
ただ、台湾に再輸入して修理などを終えた後、輸入免許日の翌日から6ヶ月(天災地変など不可抗力の事由がある場合には、1年以内)以内に再輸出される場合には、再輸入時に関税などの追加徴収が免除されます。
この制度は見本品、科学研究用品等に特定されておらず、すべての物品に適用されるという点で関税法第53条に規定する再輸入免税制度と区別されます。
[税関輸入細則(HS)の注釈の規定による免税]
台湾は上記の免税規定のほか、台湾の税関輸入細則(HSコード)の注釈に、各品目ごとに免税の可否とそれに必要な要件を規定しています。
これらの注釈の規定による免税は、輸入主体ではなく、その物品自体に対して免税するかどうかを決定するものなので、貿易に従事する人々に非常に重要な意味を持っています。
※
本プログラムでシミュレーションを実行する場合、当該物品が注釈の規定による免税の対象となるかどうかが自動的に案内されるようになっています。
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